【書評】 東大卒プロゲーマー 論理は結局、情熱にかなわない / ときど
- 作者: ときど
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2014/07/16
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (10件) を見る
ウメハラこと梅原大吾氏に続いて日本で二番目にプロゲーマーになった男、ときど(谷口一)氏の本。
ときど氏は麻布中高から東京大学、同大学院に行き、バイオマテリアルの研究において国際学会で賞を取ったこともあるほど、世間一般的に見ても優秀な頭脳を持つ人間だ。そんな彼のこれまでの人生や、プロゲーマーという日本ではまだまだ耳慣れない仕事を始めた経緯、そして初めてから数年で変わったことなどが本書では綴られている。
プロゲーマーとは
要するにプロゴルファーのようなものと述べられている。スポンサードの契約料とゲーム大会の賞金が主な収入。とてもわかりやすい。
情熱の価値
この本で何より強く述べられていたのはサブタイトルにもある通り情熱の重要さだ。それはゲームだけの話ではない。彼が情熱の価値に気付いたのは大学でバイオマテリアルの研究を始めるにあたり、恩師の情熱にあてられたからだという。他人の情熱に火をつけられて研究に熱中した経験と、プロゲーマーとして自身の情熱でそれに共感した多くの人の協力を受けている今の経験。それぞれの立場の経験を通して彼は情熱の重要さやそれが他人に伝播することを述べている。確かに、学問の研究や世間的に新しい仕事のような、一般化されていない先端分野においては特に、情熱を持った人間の熱量が重要なのではないかと思う。
一日最低8時間以上はゲーム
ときど氏は一日最低8時間はゲームをしているという。これは仕事をしている人が一日8時間働くのと同じ、そう考えれば大したことないとも述べられている。
この「一日最低8時間」という基準はゲームに限らず、好きな事をして生きていきたいという人達にとって重要な指針だと思う。何の仕事でもまともに収入を得るには皆そのくらい働いているのだから、ゲームにおいてもプロがそれだけ"働いて"いて何も不思議はない。ましてや不安定な仕事ならば尚更だ。これを苦にせずにできるかどうかは一つの判断基準になるのではないだろうか。
まとめ
格ゲー好きはもちろんのこと、ゲーマーに限らず、所謂憧れ産業で食べていこうとしてる人が読んでみるといい本だと思います。 それとどんな分野でも、情熱を持って苦労を苦労と思わずやってる人にはそうでない人は敵わないよね。